個別原価計算、総合原価計算は実際原価計算の範囲。
予定計算も実際原価計算に含まれる計算方法。
標準原価計算は目標となる原価。
ただの概算予定ではなく、理想や統計などの根拠がある数字。
見積と標準原価の違い
見積は今現在の実力で計算する。売価設定に使ったり、リスクヘッジも考慮。
標準原価は目標となるため、原価を最小値で設定する。
実際原価計算との比較は必要。財務上では実際原価計算を利用する。
実際原価と比較するときは、「標準」ー「実際」となる。
原価標準の設定
期首に原価標準を決める。製品一つあたりの目標原価のことであり、
直接材料費、直接労務費、製造間接費のそれぞれ設定する。
直接材料 = 標準単価 × 標準消費量
直接労務 = 標準賃率 × 標準作業時間
製造間接費 = 標準配賦率 × 標準操業度
標準操業度とは配賦基準のことで直接作業時間など。
標準原価カードにまとめる。
直接材料費 125*8=1000
直接労務費 150*10=1500
製造間接費 250*10=2500
一個あたりの標準製造原価=5000
(一個あたり5000で作るのが目標。)
標準原価の計算
完成品原価
原価標準 × 完成品数量 = 完成品原価
月末仕掛品原価
原価標準 × 月末仕掛品数量 = 月末仕掛品原価
(直接労務費、製造間接費は加工費なので換算数量を使う)
例)
生産データ
・月初仕掛品 40(0.5)
・当月投入 240
・月末仕掛品 80(0.5)
・完成品 200
標準原価
・直接材料費 125×8=1000
・直接労務費 150×10=1500
・製造間接費 250×10=2500
・合計 5000
完成品原価 1000000
月末仕掛品原価 240000
月初仕掛品原価 120000
仕掛品勘定への記入
パーシャルプランとシングルプランがある。
仕掛品の当月投入以外は全て標準原価で記入し、
仕掛品の当月投入を標準原価にするか実際原価にするかの違い。
パーシャルプラン
当月投入を実際原価(原価差異は仕掛品勘定)
例)
生産データ
・月初仕掛品 40 (0.5)
・当月投入 240
・月末仕掛品 80 (0.5)
・完成品 200
標準原価
・直接材料費 125*8=1000
・直接労務費 150*10=1500
・製造間接費 250*10=2500
・合計 5000
・実際直接材料費 274320(127*2160)
・実際直接労務費 290400(165*1760)
・実際製造間接費 594000
仕掛品勘定への記入
仕訳)
前月繰越 標準 | 製品 標準
材料 実際 | 次月繰越 標準
賃金 実際 | 原価差異
製造間接費 実際 |
仕訳)
前月繰越 120000 | 製品 1000000
材料 274320 | 次月繰越 240000
賃金 290400 | 原価差異 38720
製造間接費 594000 |
_ 1278720 1278720
シングルプラン
当月投入を標準原価で記入。仕掛品勘定は全て標準原価で記入。
原価差異は、材料勘定、賃金勘定、製造間接費勘定で計算される。
原価差異分析
パーシャルプランの場合、
原価差異を要素別(材料、労務、経費)に分ける必要がある。
標準原価と実際原価の差異は当月投入で発生するので、
当月投入で、標準と実際の金額を計算する。(加工費は労務費、製造間接費を別に計算する)
例)
前項と同じ内容。
直接材料費差異 240000 ー 274320 = ー34320
直接労務費差異 330000 ー 290400 = 39600
製造間接費差異 550000 ー 594000 = ー44000
直接材料費差異
直接材料費差異は、
価格差異と数量差異に分けられる。
直接労務費差異
直接労務費差異は、
賃率差異
時間差異
に分けられる。
製造間接費差異
製造間接費差異は、
・予算差異
・操業度差異
・能率差異(変動、固定)
に分けられる。
能率差異は、変動費能率差異と固定費能率差異に分ける場合もある。(ひじきで覚える)
例)
※操業度=作業時間
標準間接費
¥250/時間 × 10時間 = ¥2500
製造間接費の実際発生額
594000
実際直接作業時間
1760
製造間接費の予算
462500 (変動費率 100,固定費予算 277500)
※予算=基準
基準操業度
1850
生産データ
・月初仕掛品 40 (0.5)
・当月投入 240
・月末仕掛品 80 (0.5)
・完成品 200