簿記 原価計算ざっくり復習

●原価計算の種類

「個別」と「総合」
「実際」と「標準」
「全部」と「直接」
8通りの組み合わせがある。

●勘定科目の振り替え①

・材料購入
材料 200 | 買掛金 200
(材料:資産勘定)

・工程投入
仕掛品 100 | 材料 100
(仕掛品:資産勘定)

・完成
製品 100 | 仕掛品 100
(製品:資産勘定)

・販売
売上原価 100 | 製品 100
売掛金 120 | 売上 120
(売上原価:費用勘定)

販売したら売上原価という費用になる。
120 – 100 = 20という計算。

このように振り替えられていくのが基本。

●勘定科目の振り替え②

間接費がある場合。

・材料購入
材料 100 | 買掛金 100
(材料:資産勘定)

・工程投入
仕掛品 50 | 材料 100
製造間接費 50
(仕掛品:資産勘定)
(製造間接費:資産勘定)

・締め

製造間接費は最終的に仕掛品になるが、
この製造間接費→仕掛品のとき製品ごとに配賦する。

仕掛品 50 | 製造間接費 50

●材料費

・構成

月初材料在庫
購入分

仕掛品(直接商品分)
製造間接費(間接消費分)
月末材料在庫

●労務費

直接工でも間接的な作業をしている分は間接労務費となる。

・賃率

直接工の賃金は直接労務費と間接労務費に分ける必要があるため、賃率を算出する必要がある。

直接工の支払賃金(原価対象賃金) ÷ 作業時間

●総合原価計算

ある期間の製造原価を数量で割るという考え方。
直接材料とそれ以外に分ける。

●標準総合原価計算

標準原価=原価標準×生産量
(原価標準=目標とする1単位あたりの原価)

***

中小企業での実際

当期、期首、期末という表現にしているが、だいたい月単位で実施する。

●在庫(棚卸)の評価

大まかに対象は製品、仕掛品、材料となり、
それぞれ、ある程度合理的な評価を継続する必要がある。

材料は取得原価。(最終仕入原価法)
製品・仕掛品は売価還元法。
棚卸しない材料、また労務費、経費は当期費用。
(売価還元法との整合性については法人税法基本通達2-2-9)

・売価還元法(法人税基本通達5-2-4)

製品・仕掛品は仕入がないので売価還元となる。

原価率算出
・原価率 = A / B (原価/売価)
A = 期中仕入 + 期首在庫(原価)
B = 期中売上 + 期末在庫(売価)
※考え方が分かりづらいが、期首にあった在庫は期中に仕入れたと考え、期末に残った在庫は期中に売り上げたと考えてしまうイメージ。そうすることで当期に在庫が残らず全て売れた場合の原価率となる。

●個別原価、見積原価

多くの中小企業は多品種少量生産なので、気になる製品だけ個別原価を出している企業も多い。

一番簡単な計算方法は、
・材料費として利用した量。
・労務費として時間*賃率。
・経費として原価*経費率をかける。
この経費の部分に間接費+販管費が含まれると考える。

●期間原価

当期仕入をすべて費用計上し、当期売上と比較しながらキャッシュフローを把握する。受注生産でストック在庫がないなら、運転資金に注意しつつ、これだけでも役に立つ(むしろこれしか実施していない企業も多い)

●賃率

売価還元法では製造原価のために賃率は必要ないが、上記個別原価や見積もりなどで利用されることが多い。

1.販管費とする間接部門と直接部門を分ける。(直接工や間接工は分けない)
2.直接部門の人件費(賃金、賞与等)を直接部門の総労働時間で割って賃率を算出する。