簿記 本支店会計

4対外の取引ではなく本店と支店や支店同士の取引。
本来本店で会計が原則、支店でも独自の会計処理をさせ貸借対照表を作ること。

内部取引

照合勘定
本店=支店勘定(借方残高)
支店=本店勘定(貸方残高)

2つの勘定は貸借対照表で必ず一致

例)
本店から支店に現金1500を送付

本店
支店 1500 | 現金 1500
支店
現金 1500 | 本店 1500

例)
支店が本店の営業費500を立替、現金で支払った。

本店
営業費 500 | 支店 500
支店
本店 500 | 現金500

例)
支店が本店の買掛金800を立替、現金で支払った。

本店
買掛金 800 | 支店 800
支店
本店 800 | 現金 800

例)
本店は支店の売掛金を300を現金で回収した。

本店
現金 300 | 支店 300
支店
本店 300 | 売掛金 300

商品の発送取引

本支店間でも仕入原価に利益を加算して発送することがある。
ただ普通の利益ではないので特別な勘定科目で処理する。

(本店)
仕入 2000 | 買掛金 2000
支店 2400 | 支店へ売上 2400
(支店)
仕訳無し
本店より仕入 2400 | 本店 2400

内部で利益を付けることで本店、支店で利益を配分することができる。

支店が複数ある場合

支店分散計算制度
照合勘定は、相手方の支店名となる。デメリットは本店が支店間の取引を直接把握できなくなる。

本店集中計算制度
支店同士の取引を支店と本店との取引として処理する。
支店は本店勘定を利用。本店は各支店の勘定を利用。本店の手間が増える。

例)
支店同士の現金の取引の場合。
A支店からB支店へ2000を送付した。

(本店)
現金 2000 | A支店 2000
B支店 2000 | 現金 2000
※相殺する
B支店 2000 | A支店 2000
(A)
本店 2000 | 現金 2000
(B)
現金 2000 | 本店 2000

合併財務諸表

本店支店で個別に内部用に財務諸表を作る。外部向けには1つ合併したものが必要。

未達取引整理、内部取引の相殺、内部利益の控除が重要。

未達取引
一方が仕訳しているけど、もう一方が仕訳をする前の場合。
処理の遅れている側が未達処理の整理をする必要がある。(決算日の日付で処理をしてしまう)

例)
支店に3000送付。決算時、未達
(本店)
支店 3000 | 現金 3000
(支店)
決算時仕訳無し。
現金 3000 | 本店 3000 (決算時にこの仕訳)

本店は商品を1500を発送。支店は未達。
(本店)
支店 1500 | 支店へ売上 1500
(支店)
決算時仕訳なし。
本店より仕入 1500 | 本店 1500 (決算時にこの仕訳)

内部取引の相殺

内部仕入・内部売上は合併損益計算書には表示しない。
本店勘定・支店勘定も同じく、合併貸借対照表には表示しない。

内部利益の控除

本支店間で商品発送時に原価に一定の利益をのせることがある。
この内部利益は、実際に商品が売れた時に実現される。
売れなかった場合は未実現の内部利益となり控除の対象となる。

合併損益計算書の期首商品棚卸高、期末商品棚卸高、
合併貸借対照表の商品、これら3つから内部利益を控除する。

内部利益込みの商品 × 内部利益の加算率 ÷ 1 + 内部利益の加算率

例)
支店に、本店仕入分の期末商品棚卸高3300があり、
内部利益率が10%の場合。3000の商品が売れ残っていると考える。(300を控除するということ)

支店の純損益

通常の当期純利益は、繰越利益剰余金に振替える。
支店の場合、純資産科目がないため、本店勘定に振替える。

例)
支店が2000の純利益をあげた。

(本店)
支店 2000 | 損益 2000 (本店の損益勘定に加算する)
(支店)
損益 2000 | 本店 2000 (本来なら繰越利益剰余金)

合併財務諸表の作成

1.同一勘定を合算
2.未達整理(本店勘定、支店勘定の一致)
3.支店・本店勘定、本支店間の売上・仕入は表示しない。
4.期首商品棚卸高、期末商品棚卸高、貸借対照表の商品より内部利益の額を控除。